メンバー紹介

マレビトスクールの運営にかかわるメンバーのプロフィールとコメント

小林美香 (代表) http://www.mikakobayashi.com

写真研究者 国内外の各種学校/機関で写真に関するレクチャー、ワークショップ、展覧会を企画、雑誌に寄稿、写真関係の書籍の翻訳にたずさわる。著作に『写真を「読む」』(青弓社 2005年)がある。2010年4月より東京国立近代美術館客員研究員。

マレビトスクールの構想を思い描くようになったのは、2008年のこと。一年間アメリカの美術館で仕事をして、文化が言語の異なる環境に身をおくことで、自分の考えていることを人に伝える意義や方法について考え直すようになりました。それ以前からも、写真に関する文章を書いたり、研究をしたり、美術系の大学で講義をしたりしていましたが、一度日本を離れることで、コミュニケーションの手段としての写真のあり方や、教育や研究という枠組み、アートや文化の根底にある価値観への見方が大きく変わってきたのです。
「こんな考え方、技があったのか!」という気づきが得られたり、思い込みの枠が外れたりするような経験ができること、教える側/教わる側という固定的な役割に囚われるのではなく、お互いにさまざまな知恵や技を差し出しながら、対等で流動的な関係を作り出せる場が必要なのでは?そういう想いに共感し、呼びかけに応えて集まってきた仲間たちが、マレビトスクールを作り出し、その活動を支えています。マレビトスクールの活動に関わる人それぞれの「ユニーク(稀さ)」が活かされ、つながって、どんどん広がっていくように、と願っています。

 


柿島貴志 http://www.photta-lot.com/

イギリスの美術大学で写真を学び、フォトエージェンシー、インテリアアート企業などを経て、 photta-lot を設立。若手写真家の作品販売、写真展プロデュース、講演会やワークショップの企画運営、写真ビジネスコンサルティング、写真の額装など手がけている。

「日本では写真は売れない」これはアートの市場において長年にわたって言われてきたことで、残念ながら事実でもあります。そこでこれまでの仕事の経験から、なぜ日本で写真が売れないのか分析してみました。写真家が撮影するところから、お客さんが購入した作品を自宅に飾るまでを一本の河の流れとすると、その流れが途中で淀んでいる箇所がいくつも見つかったのです。
たとえば、ギャラリーで一枚の写真を見ているお客さんがいるとします。その作品が気に入って購入したい、という思いが芽生えたしても、「部屋に飾る時に、どんな額を選べば良いのか」、「マットはどうするのか」、「そもそもどこで額装を頼めば良いのか」といような疑問が次々浮かび、面倒になってそのまま作品を買うことなく、ギャラリーを後にしてしまうのです。額装一つ挙げても、数多くの『障害物』が『写真の流通』という河の流れを妨げています。写真額装・展示・販売の活動をはじめ、そのほかさまざまにある写真販売にかかわる障害物を一つ一つ取り除くことで、今はちょろちょろとした小川を将来的にはゆったり流れる大河に変えたいと思っています。

 

林和美 http://kazumi-h.net/

装幀写真家。広告代理店、フォトエージェンシー勤務を経て、大阪と東京に写真専門ギャラリーNADARを開設。写真集に「ゆびさき」(青幻舎)、「装幀写真」(ナダール書林)、著書に「写真生活手帖」「写真生活手帖〜実践編」(ピエ・ブックス)、「女性のためのカメラレッスン」(大泉書店)がある。

写真ギャラリーNadarの活動を通して、ギャラリー経営や、人の集う場所作りのノウハウをお教えしたり、有名無名問わず写真家の展覧会、初心者のための写真教室や、子供向けのピンホールカメラ工作教室など場所を活かすワークショップの企画運営をしています。また、写真で作品を作り続ける人のお手伝いもしています。一人で黙々と作品を作っているとだんだん不安になったり、世の中の動きを見失って独りよがりになったりすることもあると思います。そういう状態に陥らないためにも、作品を拝見して、発表したり売り込んだりする方法を一緒に考えていきたいと思っています。私がギャラリーを始めた頃には、すでにインターネットの波が押し寄せていました。お金をかけず、努力もせずに誰もが写真を発表できる時代になったのです。友人は「これからはさらにインターネットの時代になるのだから、場所を持つリスクを背負う事はないんじゃないか」と心配してくれました。しかしながら、ギャラリーを始めて10年が経つ今、私が思うのは、やはり大切なのは同じ空間で同じ時間を過ごす「人の繋がり」だということです。マレビトスクールに関わってくださった人たちがどんどん繋がってもらえれば嬉しいです。